ビリヤードバムの夢破れ・・隠居19日目

これまで両親はちょっと離れた実家と、自分が暮らしている姉の家とを行き来していたが、ようやく一昨日くらいから両親も姉の家のほうに居場所を落ち着かせるようになってきて、ようやく隠居生活の概要が徐々に明らかになってきた。

両親は昨日は夕方が涼しいから散歩は夕方だけにしようと言っていたが、今日は「3時から起きて散歩に行くのを待っていた」とやはり朝も散歩に行く気らしい。まあ両親とも動いた方が良いので家でテレビだけ見ているよりも良いのだが、やはり朝と夕方2回の散歩はできるだけ付き合う必要があるようだ。いつ行く気になるのか時間が読めないので、自分の運動はそれ以外の時間で計画した方が良く、結局のところジムでも入会して昼間に運動するしかなさそうだ。

自分の部屋は2階だが、「何やってるの?」「暇じゃないの?」と1階から声がかかるし、頻繁に親のどちらかが部屋を覗きに来るし、さらにはそのまま自分のベッドに腰かけて、いつまでもじ~と自分がパソコンでやることを眺めていて、しょうがないからニュースサイトなどを見ていると「ここにいて世の中の動きが全部わかるんだね~、すごいわ~」などど世事批評などをしてずっと居座っている。追い出すわけにもいかないし、自分が出て行った方が良いようだ。結局のところ、自分の部屋でも落ち着ける時間はないことがわかってきたので、動画の編集やそのほか、昼間は外に居場所を探さないとダメなようだ。避難場所としてカフェやネットカフェなどを放浪するか。毎日図書館で過ごすおじさんの気持ちがわかってきた。

屋外避難のためにもビリヤードがいいと思うのだが、ビリヤード場を検索すると、開始時間が14:00とか15:00とか、やはりビリヤードは夜型の遊びのようだ。午前も早い時間にやれそうなところは妙に値段が高かったり。ネットカフェには必ずあるような気がしていたが、意外と置いてない。むしろカラオケ屋の方が置いていそうだったり、ゆっくりとビリヤードができるところを探すのもなかなか難しい。一つずつ回ってあちこち行ってみていいところを探すしかないな。

食事は各自結構ばらばらなのだが、「セルフサービス、セルフサービス!自分のものは自分で作る」と言いながら、本当に独立して食事を用意するなら良いのだが、結局両親二人それぞれが人の食べるものまで作るし、なにせ食べ物に不自由してきた昭和世代なものだから、とにかく量をたくさん食べるのが贅沢で健康的だと思っているものだから、自分が健康のためにたてる食事計画はまったく無意味で、2倍くらいの野菜を食べなければいけなくなるし、砂糖のたっぷり入った卵焼きを消費しないといけなくなる。それを見越して食事計画を立てようにもそうするとまた気まぐれで別のものを作り始めたりなどするし、三体問題のように解を見つけるのが難しい問題だ。
もしバイキングのお店なんて行こうものなら、それぞれが他の人のものまでどっさりと取ってくるものだから、取ってきたものを残すわけにもいかないし、結局自分がフードファイターのように食わないといといけなくなる。そんなことが毎日自宅で起こってしまう可能性がある。

まあしょせんは計画なんて絵にかいた山水画だ。計画通りに進めれば健康になって血圧も下がり腎臓の悪化を防げるってわけでもない。コンクリートで用水路を固めるよりも、流れるところに水は流れる、レットイットビーだ。


昼ころ、とりあえず、街を探索してみるかと自転車で出かけけようとすると、両親がそろって追いかけてきて、年端も行かない少年をお国のためにと遠い戦線へ送り出すかのように、門の外へ出てきて涙をこらえて見送っている。本当は自転車のいろいろな調整をしたり、空気を入れたりとかしたかったのだが、こちらの姿が見えなくなるまでじ~とこちらをみているものだから、落ち着いて出発準備をすることもできない。そそくさと逃げるように家をあとにした。

とりあえずかかりつけの病院の方へ出てみると、家から2kmくらいのところにラウンドワンを発見。グーグルマップのビリヤード検索には出てこなかったが、スポチャがあって、ビリヤード台も置いてあった。

ということで、入院時から恋焦がれたビリヤードをようやくすることができた。





のだが。



後遺障害は意外なところで顔を出す。ビリヤードはたいした動きもないし、どちらかというと頭のゲームだし、まったく問題ないつもりでいた、のだが・・


球が撞けない。いや撞けるのだが、狙いを持って撞くことが、ほとんど困難だ。まず左手の指で作ったブリッジと撞点がちょうど視野欠損の部分に来てしまうし、狙う先の玉は複視で二重に見える。片目を閉じてもう片目だけで見ると、複視はましになるが、視野欠損の部分が見えないことは変わらないし、手玉とキュー先の距離感がぜんぜんわからないのでどのくらい引いてどのくらい撞けばよいのかがわからない。

要するに、狙って撞くことはほぼ無理だった。これでは単に偶然に任せたパチンコゲームと同じ。久々だから撞けないとかそういうことではなく、自分の視覚の状態ではどうやってもまともに撞けるようにはならないことがはっきり分かった。。


ということで、残りの人生の時間の多くをビリヤード三昧で過ごすのも悪くなかろう、というささやかな夢は、シャボン玉がはじけるようにあっさりと消え去った。

ビリヤードと決別して帰るとき、この場所は中高生のころ、自転車での下校中、毎日のように立ち寄った本屋の隣であることに気が付いた。本屋もすっかり姿を変えて、名前だけに痕跡を残してショッピングモールになっていたので全く気付かなかった。あのころはスマホもなくナビもなく、道に迷うなんて怖れもなく、呑気に自転車で走り回っていた。あと40年後に、電動アシスト自転車に乗ってスマートフォンのナビなんかを頼りにやってきて、それでも道がわからんわからんとかいいながらよたよたこの辺をうろつくだろうなんて思いもしなかった。

気落ちして家に帰りついら、母親が部屋にやってきて、何をして来たのか、道々安全だったか、途中で何か食べたか、飲んだか、根掘り葉掘り質問攻め。まるで小学生が学校から帰ってきた後みたいだ。

そうこうしていたら、昼間父親がひもじい思いをしたらしく、父親が買い物をしようと近くのドラッグストアーに出て行ったらしい。姉たちからは一人での買い物は禁止されているが、大丈夫かなと後を追いかけて自分もドラッグストアーに様子を見に行った。店についたらちょうど父親が、そんなに食べるのにどれだけかかるのかな?っていうくらい大量にパンを買っているところだった。そして帰ろうとしたらちょうど夕立がダーっと降り出した。

これが映画とかドラマだったら夕立の後に虹が立ったのだろうが、夏の終わりの夕立ちに、帰り道は蒸し蒸しするばかり。

さて、ビリヤードに代わる新しい夢を探さねば。。失意の中、「元気の出るミュージックを流して!」とアレクさんにお願いして、今日も早く寝ることにする。

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